惜敗率(せきはいりつ)とは、ある候補者の得票数を同一選挙区で最多得票選者の得票数で割ったもの。

1996年以降の日本の衆議院議員総選挙では、小選挙区比例代表並立制で立候補者が「小選挙区選挙」と「比例代表選挙」に重複立候補できる。

比例代表の名簿には政党が複数の重複候補者を同一順位にすることが多い。
小選挙区で頑張らなくても当選できる、ではなく、小選挙区で頑張って辛くも当選できなかった頑張り具合で比例での当選が決まるようにしている。
すなわち、惜敗率が高い候補、つまり当選者により肉薄していた落選者から順に、その回の選挙結果による各政党への比例配分割り当て数、比例復活がされる。

【具体例】
○○党の候補者が
 小選挙区候補者  :ア、イ、ウ、エ、オ
 比例代表単独候補者:カ、キ
 重複立候補者   :イ、ウ、エ、オ
としたとき、選挙結果が
■小選挙区
A選挙区 ア 落選 惜敗率80%
B選挙区 イ 当選
C選挙区 ウ 落選 惜敗率90%
D選挙区 エ 落選 惜敗率70%
E選挙区 オ 落選 惜敗率60%

○○党は比例代表で3議席を獲得。
その結果、
■比例名簿
届出順位1位 オ 惜敗率60% 当選
届出順位2位 カ 単独候補 当選
届出順位3位 ウ 惜敗率90% 当選
届出順位3位 エ 惜敗率70% 落選
届出順位3位 イ 小選挙区当選
届出順位4位 キ 単独候補 落選

この重複立候補の当選者の決め方は、
(1)小選挙区の結果
・小選挙区で当選したイ候補は当選確定
・小選挙区のみに立候補して落選したア候補は落選確定

(2)比例代表の結果
・小選挙区と比例代表に重複立候補している候補(イ、ウ、エ、オ)の惜敗率を計算。
・惜敗率を元に比例名簿の順位を決める。

(3)名簿順位の上位者から当選を決定
○○党は比例代表で3議席獲得したので、名簿順位の上位3人(オ、カ、ウ)の当選が決定。

以上のポイントは、
・オ候補は惜敗率が低いものの、名簿順位が1位なので当選。
・カ候補は、比例単独候補であり、名簿順位も2位なので、オ候補に次いで2人目の当選。
・3人が同一順位で登載されている名簿3位から3人目の当選者がどう決まるかといえば、小選挙区で当選したB候補を除き、惜敗率で順位を決め、エ候補よりも惜敗率が高いウ候補が当選となる。


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